消防・防災経営戦略 元消防士×行政書士からの提案
経営者の皆さまへ。
「計画書があること」と「災害時に機能すること」は、まったく別物です。
東日本大震災、熊本地震、能登半島地震、そして令和8年熊本地震——。数々の現場を経験した元消防署長が、企業が直面する危機と、本当の意味で「命と会社を守るBCP」の構築法をお伝えします。
1. 元消防署長が警鐘を鳴らします
「突然ですが、一つだけ質問させてください。」
停電で社内は真っ暗。電話はつながらず、インターネットも使えない。
従業員は不安の中で、「自分は今、何をすべきか」を判断できず迷っています。
そのとき、本棚やキャビネットに保管されている分厚いBCP(事業継続計画書)は、本当に現場の役に立つでしょうか。
私は35年間、金沢市消防局の消防士として勤務し、駅西消防署長を最後に退職しました。火災、救助、大規模災害、防火管理・訓練指導など数え切れない現場に携わってきた経験から、一つだけ確信していることがあります。
2. 災害は、私たちの「想定」を必ず超えてくる
近年の日本を襲った大規模災害の歴史を見ても、あらかじめ立てていた「マニュアルどおり」に動けた現場は一つもありません。
🌊 東日本大震災(2011年)
未曾有の津波、広域停電、通信途絶。「本社からの指示」を待つことができず、現場が自ら判断しなければならなかった企業が数多くありました。「想定外」という言葉が社会に広がった大災害です。
🏚️ 平成28年熊本地震(2016年)
最初の揺れ(前震)のあとに、さらに巨大な「本震」が襲いかかりました。一度目の揺れに耐えた建物が二度目で倒壊。「これで終わった」という思い込みが覆された災害でした。
⛰️ 令和6年能登半島地震(2024年)
道路はズタズタに寸断され、物流は停止、多くの地域が完全孤立。水・電気・通信がない過酷な環境で、企業は自らの判断で従業員の安全確保と復旧を進めなければなりませんでした。
⚠️ そして、令和8年熊本地震(2026年7月)
熊本県で再び最大震度7を観測する強震が発生。10年前の経験から「大きな地震があった場所だから当分大丈夫」という思い込みもあったかもしれません。しかし、現実は再び突きつけられました。
災害は、「一度経験した地域にも、再び容赦なく襲いかかる」という現実を、私たちに改めて物語っています。
3. 現場で痛感した「BCPの落とし穴」
消防士として数多くの災害現場を経験する中で、共通して見てきた光景があります。
大きな揺れ、鳴り響く警報、割れ落ちるガラス、飛び交う悲鳴や怒号、負傷者の対応……。
そのような極限状態の中で、何十ページもある重い計画書を1枚ずつめくりながら行動できる人間はいません。
だからこそ、本当に重要なのは
「分厚い計画書」ではなく「誰でも迷わず動ける仕組み」なのです。
4. BCPは「書類」ではなく「行動」です
災害時に本当に機能するBCP(事業継続計画)には、明確な共通点があります。
- ① 誰が指揮を執るのか(不在時の代替指揮権)
- ② 誰が避難誘導するのか(班ごとの役割分担)
- ③ 誰が安否確認を行うのか(連絡手段の複線化)
- ④ 通信できない場合、現場だけで意思決定できる権限があるか
- ⑤ 社員全員が「短い訓練」によって自然に動ける状態になっているか
BCPは「作って棚に飾って終わり」ではありません。繰り返し見直し、ショート訓練を重ね、改善して初めて、会社と従業員を守る強力な武器となります。
5. 経営者が最優先で守るべきもの
企業にとって、何よりも最優先で守るべきものは「従業員の命」です。
従業員の命と安全が守られて初めて、会社を存続させ、事業を継続・復旧させることができます。また、発災時の適切な初動判断は、企業の「安全配慮義務」の履行においても欠かせない観点です。
「BCPを作った」という自己満足ではなく、「BCPが現場で機能するか」という経営判断の視点が今、問われています。
6. 元消防士 × 行政書士だからできる支援
私は35年間、消防の最前線で「極限状態での人の心理」や「現場で届く指示の出し方」を見続けてきました。
現在は行政書士・防災コンサルタントとして、現場のリアリティに「法務・労務リスク対策(法学部卒)」と「財務・事業継続の経営視点(経済学部卒)」を融合させた実戦的アプローチを提供しています。
- BCP(事業継続計画)策定・再構築
- 事業継続力強化計画(認定サポート)
- 消防法令対応・防火防災体制の整備
- 15分でできる現場初動デスク訓練
分厚くて読まれない「書類」ではありません。
発災直後に社長が不在でも、現場の社員が迷わず動ける「命と会社を守る仕組み」です。
7. 最後に:想定どおりだった災害は、ひとつもありません
災害はいつ、どんな形で発生するか分かりません。しかし、一つだけ確かなことがあります。
「想定どおりだった災害は、過去にひとつもありません。」
だからこそ、BCPは「想定どおりに動かす計画」ではなく、「想定外のトラブルが発生しても柔軟に対応できる強い会社をつくる仕組み」でなければならないのです。
消防法令や各種手続でお困りの際はお気軽にご相談ください。
元消防署長の経験を活かし、現場と行政の両方の視点からサポートいたします。
行政書士石川勝事務所
(防災コンサルタント)
金沢市・白山市・野々市市を中心に活動。
石川県内や北陸三県にも対応いたします。
金沢市消防局に35年間勤務し、駅西消防署長、消防指令センター副司令官、予防係長、装備係長、高度救助隊長、石川県消防防災航空隊副隊長等を歴任
東日本大震災、平成28年熊本地震、令和6年能登半島地震、令和8年熊本地震などの現場対応・支援経験を持つ現場主義の防災スペシャリスト
法政大学法学部および経済学部、中京大学体育学部卒業のトリプル学士を取得
現場の危機管理ノウハウに、法務・労務リスク対策、財務・事業継続の経営視点を融合させた「総合的なBCP構築・コンサルティング」を得意としている。

